ブレーキフルード交換

スペシャルツール(以後ST)を自作して、一人でブレーキフルードを交換します。
ブレーキ系統は重要保安部品です。
作業は簡単ですが、ブリーダスクリュの締め忘れ等が無いように注意してください。

作業が面倒なので、ABSユニットのエアー抜きは省略しています (^_^;)

1・用意する工具

10mmのメガネレンチ&スパナ

8mmのメガネレンチ&スパナ

ビニールホースを切るハサミなど

ホイールを外す工具

フロントにストラットタワーバーが装着されている場合は、それを外す工具が必要
2・スペシャルツールを作る
用意する物
ペットボトル型タンク
スーパーで購入:¥198(1000cc程度入る物)
キリン生茶を奨励、炭酸飲料も可
ブレーキフルード
押入から発掘(購入価格は忘れたので不明)
1m程度のビニールホース
ホームセンターの熱帯魚コーナーで購入:¥98
注:外径8〜9mm程度必要でした(自爆
逆流防止弁
同じく熱帯魚コーナーで購入:¥298
3・スペシャルツールを組み立てる

ビニールホースを5cm程度切り取る

逆流防止弁のIN側に切り取ったホースを差し込む。

同じくOUT側に残った長い方を差し込む。

ホースに息を吹き込んで、逆流防止弁の動作を確認する。
注:安物なので多少逆流するけどOKです。
4・作業準備

ブレーキフルードの入っているリザーブタンクはこの位置です。
ストラットタワーバーが装着されている車両の場合は、タワーバーを取り外す必要があります。
5・リザーブタンクの蓋を外す

黄色いキャップを半時計方向に回すと外れます。
リザーブタンク内にゴミ・異物を落とさないように注意して作業してください。

同時にブレーキフルードの色を点検します。
新品は薄い水飴色をしていますが、酸化などの劣化が著しい時は、茶色く変色していきます

ブレーキパットの摩耗が進むと、ブレーキフルードの残量は見かけ上減っていきます
6・ホイールを外す

前輪・後輪ともにホイールを外さないと、作業が出来ません。

X配管方式を採用しているので、をブレーキフルードの交換順序は以下の通りに指定されています
1:フロント右
2:リヤ左
3:フロント左
4:リヤ右
7・フロント右ブレーキ
ブレーキキャリパのブリーダスクリュ(○印)のゴムキャップを外す。

10mmのメガネを使用し(六角をなめる怖れがあるため、スパナ使用禁止)ブリーダスクリュを半時計方向へ回して緩める。

緩め量は1/2回転程度で充分です。
緩めすぎるとブレーキフルードがあふれてきます。
8・スペシャルツールをセット

ブリーダスクリュにスペシャルツールを装着します。

IN側のホースをブリーダスクリュに差し込み、OUT側のホースをペットボトル型タンクに差し込みます。
9・ブレーキペダルを踏む

ブレーキペダルを数回ゆっくり踏みます
スペシャルツールの逆流防止弁が働いて、逆流によるエアー吸い込みは発生しません。

その際ボンネット越しにリザーブタンクを目視で確認し、ブレーキフルードが空にならないよう注意する
注:リザーブタンク内のフルードが空になると、エアー抜きが必要になり面倒です
10・ブレーキフルードの補充

リザーブタンクの液面が下がってくるので、空になる前にブレーキフルードを補充する
ゆっくり注いで気泡を発生させないように注意し、気泡が発生した場合は消滅するまで待つこと

ブレーキフルードをこぼした場合は、すぐにウエスなどでふき取ってください。
ブレーキフルードは塗装を侵す成分を含んでいます。
参考資料
左の画像(クリックすると拡大します)は、BP製DOT4のフルードを3ヶ月使用した物で、ジムカーナ出場2回+ジムカーナ練習走行1日でこの状態です。
ペーパーロック(高温による沸騰)したために気泡が発生し、酸化によって茶色に変色しています(汗
右の画像は新品フルードが出てきたところ。
気泡が全て抜け、フルードの色も全然違います。
11・ブリーダスクリュを締める

古いフルードとエアが抜けたら、スペシャルツールを外す前にブリーダスクリュを10mmスパナで仮締めする(エアー吸い込み防止のため

スペシャルツールを取り外し、10mmメガネレンチ(スパナ使用禁止)で本締めをする

ブリーダスクリュから外したゴムキャップを被せて、ホイールを装着する。
12・リヤ左ドラムブレーキ
次にリヤ左側の作業です。

左の画像(クリックで拡大します)の○印部分の裏側に、ブリーダスクリュが隠れています
右の画像(クリックで拡大します)はドラムブレーキを上から覗いたところです。
13・ブリーダスクリュを緩める
ドラムブレーキのブリーダスクリュのゴムキャップを外す。

8mmのメガネを使用し(六角をなめる怖れがあるため、スパナ使用禁止)ブリーダスクリュを時計方向へ回して緩める

緩め量は1/2回転程度で充分です。
緩めすぎるとブレーキフルードがあふれてきます。
14・スペシャルツールをセット

IN側ホースをブリーダスクリュに差し込み、OUT側ホースをペットボトル型タンクに差し込む。

この後の作業は9と10を繰り返すだけなので省略(汗
15・ブリーダスクリュを締める

古いフルードとエアが抜けたら、スペシャルツールを外す前にブリーダスクリュを8mmスパナで仮締めする(エアー吸い込み防止のため

スペシャルツールを取り外し、8mmメガネレンチ(スパナ使用禁止)で本締めをする

ブリーダスクリュから外したゴムキャップを被せて、ホイールを装着する。
16・以下繰り返し

フロント左・リヤ右の順番で作業を続ける。
17・作業終了
4輪とも作業が終了したら、エンジンを切った状態でブレーキを強く踏み、踏み代を確認する
ペダルが奥に入り込んでいく感触が有れば、エアーのカミ込み、もしくはブリーダスクリュの締め付け不足によるフルード漏れの可能性があるので注意!

異常が無ければリザーブタンクの蓋を閉めて、競技車検を通すためにテーピングを施す
注:必ず安全な場所でブレーキテストを行い、ブレーキが効くことを確認する事!

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